みなし解散登記

株式会社で、その会社の最後の登記申請があってから12年を経過すると、休眠会社として、会社法第472条の規定によって、法務大臣の官報公告がされた後2か月の期間満了により、その株式会社は解散したものとみなされます。

本年度は、12月14日までに申請をする法務局に届出又は登記がなされていないかぎり、当該会社は解散したものとみなされます。

 その後、株式会社継続の登記をすることはできますが、その前に法定清算人の登記をしなければなりません。この法定清算人は、定款に定める者がない限り、解散時の取締役が清算人になります。

 それでは、みなし解散日より前に、取締役全員が死亡していた場合には、まず、会社法第478条第1項第3号によって、株主総会で清算人を選任する必要があり、株主総会で選任することができない場合には、裁判所に申立て清算人を受けることになります。

登記は、年代を追うごとに如実に反映するのが原則であるため、前提として取締役の変更登記をする必要があります。

相続のおける相続税について

相続税の基礎知識

1 相続税とは

相続税は,個人が被相続人(亡くなられた方)から相続などによって財産を取得した場合に,その取得した財産に課税されるものをいいます。

2 相続税の申告が必要な場合とは

被相続人から相続などによって財産を取得した人それぞれの課税価格(後述します)の合計額が,遺産に係る基礎控除額を超える場合,その財産を取得した人は,相続税の申告を,10か月以内にする必要があります。

基礎控除額とは,

3000万円+(600万×法定相続人の数)となります。

なお,相続放棄をした方がいても,その方も法定相続人の数に含めますが,養子がいる場合,実子がいるときは1人まで,実子がなく養子しかいない場合には2人までについて,法定相続人の数に加えることができます。

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司法書士の遺産整理・遺産承継業務

司法書士が行う財産管理

はじめに,司法書士が業務として,第三者の財産の管理や処分,遺産(管理)承継業務,企業法務,事業承継のサポート,成年後見人や相続財産管理人,不在者財産管理人,遺言執行者等の地位に就職するなど,これらを行える根拠はどこにあるのでしょうか?

 

1 平成14年の司法書士法改正により,司法書士法29条1項1号を受けて,司法書士法施行規則31条が規定されるに至りました。

司法書士法施行規則31条では,司法書士法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして,

 

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 競争の導入により公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第33条の2第1項に規定する特定業務

 法第3条第1項第1号から第5号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し,又は密接に関連する業務

 

なお,弁護士法にも同様の規定があり,弁護士法人及び外国法事務弁護士法人の業務及び会計帳簿等に関する規則第1条では,弁護士法第30条の5に規定する法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして,

 

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,他人の業務及び財務の状況,変態設立事項,資産の価格その他の法律事務に関連する事項について,調査してその結果を報告し,又は証明する業務

 弁護士又は弁護士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 法律事務に附帯し,又は密接に関連する業務

御覧いただいて分かるとおり,第1号及び第2号は,一字一句違わない規定振りとなっています。

これが第三者の財産を管理・処分できる明文規定ということになります。

なお,他士業(弁理士・行政書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・海事代理士・中小企業診断士等)で,このような明文でもって他人の財産管理及び処分ができる旨の定めが規定されている士業はありません。

 

2 細かく内容をみていきましょう。

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相続放棄の法律相談・家庭裁判所書類作成なら千葉県民司法書士事務所

相続放棄の法律相談

はじめに,相続が開始した場合,相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。

相続が開始して,自分が相続人となったことを知った日から3か月以内に,いずれの方法も選択しなかった場合には,1の単純承認したものとみなされますので注意が必要です。

  1. 相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権や銀行預金等の権利(プラス財産)及び借金等の義務(マイナス財産)のすべて受け継ぐ【単純承認
  2. 相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない【相続放棄
  3. 被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ【限定承認

今回は,上記のうち2の相続放棄について,詳しく述べていきます。

なお,3か月以内だからといって,一度選択した手続きを撤回することは原則できません

例えば,相続放棄の申述をして,それが受理されると,3か月以内でも,限定承認の申述をすることはできなくなります。

また,相続財産の一部または全部を費消した後(単純承認した後)になって,借金の督促が来たからといって,相続放棄の手続きはできません。

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