2016年 6月 の投稿一覧

千葉信用金庫の相続手続き

1 まず初めに,千葉信用金庫の窓口に行って,相続が発生した事実を伝えると共に(原則,これで,被相続人の口座が凍結されます),相続手続依頼書をもらい,この相続手続依頼書に,相続人全員の自署と実印での押印をすることになります。

2 どの金融機関でも同じですが,被相続人の出生から死亡までの除籍謄本,改製原戸籍等を市区町村役所で取得します。

また,相続人の現在の戸籍謄本も必要になります。

3 上記1の相続手続依頼書に押印した実印に関する印鑑証明書を市区町村役所で取得します(印鑑証明書だけは,発行から3か月以内のものが必要です)。

また,海外に居住されている相続人については,大使館や領事館で発行するサイン証明書及び在留証明書が必要になります。

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司法書士の遺産整理・遺産承継業務

司法書士が行う財産管理

はじめに,司法書士が業務として,第三者の財産の管理や処分,遺産(管理)承継業務,企業法務,事業承継のサポート,成年後見人や相続財産管理人,不在者財産管理人,遺言執行者等の地位に就職するなど,これらを行える根拠はどこにあるのでしょうか?

 

1 平成14年の司法書士法改正により,司法書士法29条1項1号を受けて,司法書士法施行規則31条が規定されるに至りました。

司法書士法施行規則31条では,司法書士法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして,

 

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 競争の導入により公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第33条の2第1項に規定する特定業務

 法第3条第1項第1号から第5号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し,又は密接に関連する業務

 

なお,弁護士法にも同様の規定があり,弁護士法人及び外国法事務弁護士法人の業務及び会計帳簿等に関する規則第1条では,弁護士法第30条の5に規定する法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして,

 

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,他人の業務及び財務の状況,変態設立事項,資産の価格その他の法律事務に関連する事項について,調査してその結果を報告し,又は証明する業務

 弁護士又は弁護士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 法律事務に附帯し,又は密接に関連する業務

御覧いただいて分かるとおり,第1号及び第2号は,一字一句違わない規定振りとなっています。

これが第三者の財産を管理・処分できる明文規定ということになります。

なお,他士業(弁理士・行政書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・海事代理士・中小企業診断士等)で,このような明文でもって他人の財産管理及び処分ができる旨の定めが規定されている士業はありません。

 

2 細かく内容をみていきましょう。

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ゆうちょ銀行の相続手続き

ゆうちょ銀行の相続手続き

多くの方が,ゆうちょ銀行に口座をお持ちだと思います。

ゆうちょ銀行の相続手続きで,他の銀行等と違って便利な点は,全国,どこにでも郵便局があり,どこでも手続きが可能であることが挙げられます。

地方銀行ですと,他県に転居などした場合,転居した先に店舗がない場合も多くあります。

また,一部の信用金庫では,口座を開設した店舗でないと相続手続きができないところもあります。

そう考えると,ゆうちょ銀行の場合,相続手続きは,自分(相続人)の住んでいる近くの郵便局で手続きができるため便利です。

また,ゆうちょ銀行は,統一された運用があるため,次のとおりの段取りで相続手続きを行うことになります。

 

1 相続確認表の所定の事項を記載

亡くなられた方(被相続人)がゆうちょ銀行の口座があったのか,あるいはなかったのか不明の場合もあると思います。

記号番号が不明の場合には「貯金等照会書」に必要事項を記載して窓口に提出することになります。

 

2 後日,必要書類のご案内という封筒がご自宅へ届きます。

先に提出した相続確認表に基づき,必要な書類一覧が同封されています。

相続される方が,被相続人の子なのか兄弟姉妹なのかに応じて,必要となる書類を個別に教えてくれます。

基本的に,相続に関する必要書類は,どこの金融機関でも同じものが要求されます。

①被相続人(お亡くなりになった方)の戸籍(除籍)(原戸籍)謄本(出生から死亡までの連続したものが必要)

※遺言がある場合には,出生までさかのぼらず,死亡の記載のある除籍謄本だけあれば大丈夫です。

②相続される方の戸籍謄本(現在の戸籍)

③相続される方が兄弟姉妹の場合は,①の被相続人の出生からさらに遡って両親の戸籍(除籍)(原戸籍)謄本(出生から死亡まで連続したもの)も必要になります。

④相続人全員の印鑑証明書(市町村発行後3か月以内)

⑤被相続人の預金通帳,証書,キャッシュカード(ない場合には,紛失の手続きを相続人が行うことになります)

 

3 必要書類の提出

原則,相続確認表を提出した郵便局に,原本を提出します(手続きをした郵便局に提出してください,と書かれてあります)。

なお,原本は,郵便局でコピーを取っていただき,返還をしていただくことが可能ですし,後日,返還を受けることもできます。

 

4 代表相続人の通常貯金口座に払い戻しの場合には送金されます。

なお,ゆうちょ銀行に口座がない場合には,新たに作成して,この口座に入金してもらうか,あるいは払戻証書を送ってもらい,後日窓口で現金で受け取ることもできます。

 

一般的には,ゆうちょ銀行の相続手続きの場合,何回,店舗に出向くことになるのでしょうか?

①相続の発生した事実と相続確認表をもらいに,窓口に行きます。

必要事項を,その場で書ければよいのですが,一旦自宅に戻ってから書かれる方も多くいます。

②相続確認表など,①でもらった書類に必要事項を記入の上,窓口に提出します。

③ゆうちょ銀行から,手続きの説明が書かれた書類などがご自宅に送られてきます。

④当該相続手続きに必要となる書類を集めます(場合によっては,遺産分割協議書を作成することもあります。)。

⑤ゆうちょ銀行定型の書類に必要事項を記載し,相続人全員の実印を押印し,必要書類として記載されていた戸籍謄本等と共に窓口に提出します。

⑥現金で受領される場合には,払戻証書によって現金の受け渡しを行うため,窓口へ行って手続きを行います。

 

これら一連の手続きを一括して,当事務所に手続きを依頼することができますので,お気軽にお尋ねください。

千葉県習志野市津田沼・京成津田沼駅前の千葉県民司法書士事務所のオフィシャルホームページ ⇒ http://chiba-shihoshoshi.com/

相続放棄の法律相談・家庭裁判所書類作成なら千葉県民司法書士事務所

相続放棄の法律相談

はじめに,相続が開始した場合,相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。

相続が開始して,自分が相続人となったことを知った日から3か月以内に,いずれの方法も選択しなかった場合には,1の単純承認したものとみなされますので注意が必要です。

  1. 相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権や銀行預金等の権利(プラス財産)及び借金等の義務(マイナス財産)のすべて受け継ぐ【単純承認
  2. 相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない【相続放棄
  3. 被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ【限定承認

今回は,上記のうち2の相続放棄について,詳しく述べていきます。

なお,3か月以内だからといって,一度選択した手続きを撤回することは原則できません

例えば,相続放棄の申述をして,それが受理されると,3か月以内でも,限定承認の申述をすることはできなくなります。

また,相続財産の一部または全部を費消した後(単純承認した後)になって,借金の督促が来たからといって,相続放棄の手続きはできません。

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