相続の効力に関して,大きく異なる規定になった条文もありますが,その中でも,特に,
民法第899条の2第1項
この条文では,「相続による権利の承継は,遺産の分割によるものかどうかにかかわらず,次条及び第901条の規定により算出した相続分を超える部分については,登記,登録その他の対抗要件を備えなければ,第三者に対抗することができない。」とし,従来の判例とは異なる条文となった。
分かりやすく言うと,法定相続分を超える部分は,登記を先にした者が勝つ(対抗できる)とされました(要は早い者勝ち)。
これまでの判例では,
1 相続分の指定による不動産の権利の取得については,登記なくその権利を第三者に対抗できるとしていました(最判平成5年7月19日)。
また,
2 相続させる旨の遺言があった場合,特段の事情がない限り「遺産分割方法の指定」に当たるとしたうえで,遺産分割方法の指定そのものに遺産分割の効果を認めて,当該遺言によって不動産を取得した者は,登記なくその権利を第三者に対抗することができるとされていました(最判平成14年6月10日)。
これによって,「相続だから放っておけばよい」「遺産分割の話し合いはまとまったので,登記は後で構わない」等とは言えなくなり,早く登記しないと自己の権利が実現できない可能性もあることになりました。
