法定相続分で相続登記がされた場合、登記手続きが煩雑でありましたが、
①遺産の分割の協議又は審判若しくは調停による所有権の持分割合が変わった場合、②他の相続人の相続の放棄があり持分割合が変わった場合、③特定財産承継遺言により持分割合が変わった場合、④相続人が受遺者である遺贈による持分割合が変わった場合には、所有権の更正の登記によることができ、登記権利者が単独で申請できるようになりました。
法定相続分で相続登記がされた場合、登記手続きが煩雑でありましたが、
①遺産の分割の協議又は審判若しくは調停による所有権の持分割合が変わった場合、②他の相続人の相続の放棄があり持分割合が変わった場合、③特定財産承継遺言により持分割合が変わった場合、④相続人が受遺者である遺贈による持分割合が変わった場合には、所有権の更正の登記によることができ、登記権利者が単独で申請できるようになりました。
よくある質問で、推定相続人が2名いるとして、そのうちの1名の推定相続人に、自分(被相続人)が亡くなったことを知られない方法はあるでしょうか? ということをよく聞かれます。
仮に、A、Bの推定相続人がいるとして、遺言がなければ遺産分割協議をしなければならず、それにはA、B両名の協議が必要になり、他方に知られずに相続することできません。
Aは同居するなどしており、全財産をAにあげるつもりで、遺言でAに相続させるという遺言を書いたとしましょう。
この場合はどうでしょうか?
自筆証書遺言で、その遺言書を自宅に保管していた場合(死後、遺言書が発見されないというおそれはありますが)、その遺言書の内容に従って銀行手続きや不動産の名義変更を行うには、家庭裁判所の検認手付きを執らなければならず(裁判所外で遺言書を開封すると5万円以下の過料の制裁があります。)、その検認証明書がないと名義変更等ができません。
そして、その検認の手続きには、相続人全員の住所を書く必要があり、裁判所は相続人全員に検認する日を通知します。
そのため、内緒で手続きを行うことができません。
次に、自筆証書遺言を、法務局に預かってもらう手続きを踏んでいる場合はどうでしょうか?
この場合も、自分の死後、相続人が遺言書情報証明書(これで名義変更等ができます。)を発行してもらいますが、この証明書をもらうためにする申請で、相続人全員に対して法務局が通知するため、全相続人を明らかにしなければなりません。
したがって、その方法でも内緒で手続きを行うことはできません。
それでは、公正証書遺言で、一方の推定相続人に全財産を相続させようと考えますが、公正証書遺言の場合、ほとんどが遺言執行者を定めます。
遺言執行者は、相続人に対して、就任の通知や財産目録等を作成して送るなどしなければなりません(遺留分のない兄弟姉妹が相続人になった場合も同じです。)。
そのため、他の相続人に秘して手続きを行うことはできません。
それじゃわかった、遺言執行者を定めなければいいんだ、と考えるかと思いますが、他の相続人に知らせる義務がないとしても、秘して遺言内容を実現すると、「遺留分を害することを知っているにもかかわらず、その機会を奪って相続した」ということで(短期消滅時効にかかったとしても)損害賠償請求を受けるおそれがあります。
相続登記が長年されていない場合、法務局から通知が届いた相続人の方もいると思います。
法務局は付記登記(長期相続登記等未了土地の付記登記)の後、次の順番で通知がされます。
1 固定資産課税台帳上の所有者または納税義務者
2 当該土地の居住者
3 当該土地の近郊の居住者
4 その他の者
となっています。
相続財産を把握するため、郵便物には気を付ける必要があります。
把握していなかった相続財産が、お亡くなりになられた方の郵便物で発見されることも多くあります。
しかし、注意も必要です。
遠方に住んでいた被相続人(お亡くなりになられた方)の自宅ポストに行けないため、死亡した方宛の郵便物を相続人(家族)に転送してくれたら、相続人は自分の自宅に居ながら郵便物のチェックができるのですが、郵便局が死亡の事実を知っている場合、転送を受け付けてもらえず、郵便物は差出人に返還されます。したがって、相続人が自宅で被相続人宛の郵便物の転送を届け出ても現在は受け付けてもらえません。
日本郵便のQAで、「死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか?」との問いに、「ご家族の方から転送のお申出があっても、亡くなられたご本人さまの郵便物等を転送することはできません。受取人ご本人さまが亡くなられた場合、ご本人さまあての郵便物等は差出人さまへ返還されます。」との回答があります。
1 遺言がない場合
不動産の名義人に相続が開始したときには、当該不動産の所有権を取得した者は、「自己のために相続開始のあったことを知り」「当該不動産の所有権を取得した」ことを知った日から3年以内に相続登記をしなければならないのが原則であるが、同期間内に、当該不動産の名義人について相続が開始した事実と自らが当該不動産名義人の相続人である旨を登記官に申し出ることができるようになった。
これにより、複雑な相続登記をしなくとも義務を履行したものとみなされることになった。
これが、「相続人申告登記の申出」である。
2 遺言がある場合
遺言により、不動産の名義人の相続人に「遺贈」するとなっていたときは、当該相続人は、「自己のために相続が開始したことを知り」「当該不動産を取得したことを知って」から3年 以内に相続登記をする義務を負うことになるが、この場合も例外として「相続人申告登記の申出」をすることによって、相続登記の義務を履行したとみなされる。
3 遺産分割が成立した場合
所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、法定相続分の割合に応じて所有権を取得した者は、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記義務を負うが、これに加えて遺産分割によって所有権を取得した者は、当該遺産分割から3年以内に相続登記をする義務を負うが、次の点に注意が必要である。
遺産分割によって、法定相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産分割の日から3年以内に相続登記をしなければならない。
申出後に、遺産分割が成立したときは、遺産分割の日から3年以内に相続登記をしなければならない。
4 代位者や官公署の嘱託により登記がされた場合は、申請義務については適用しない。
5 経過措置
令和6年4月1日から相続登記は義務になるが、その前に発生した相続については、「当該施行日前に所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日又は当該施行日のいずれか遅い日から3年以内に相続登記をしなければならない。
6 正当な理由
相続登記は原則義務となるが、正当な理由があれば、その義務を免れることとなる。例示をするが、この例示にあてはまらないから正当な理由がないとは言えず、それ以外でも、個別具体的な事情があれば、正当な理由があると判断される。
遺言には、プラス財産だけでなく、マイナス財産(債務)を引き継ぐ人を決めることができます。
ただし、債権者に対しては、「このような遺言があるから、私には請求しないで」とは言えません。原則、相続人の皆さんで被相続人の債務を負担しなければなりません(財産をもらっていない人も、債権者に言われれば、相続分は支払うしかないのが原則です。)。
実際に多くの方が、遺産を引き継ぐ方、もしくは遺産を多く引き継ぐ方が被相続人の債務を負担していると思われますが、揉め事を起こさないために、このようなことも決めておくこともできます(葬儀費用も、明確に誰が支払うべきかは法律では決まっていません。)。
第〇条 遺言者は、次の債務及び費用を長男〇(生年月日)に承継又は負担させるものとし、遺言執行者は、第〇条記載の預貯金等の金融資産から随時その支払いに充てることができる。
(1)遺言者の支払うべき未払いの公租公課、入院費用その他一切の債務
(2)遺言者の葬儀、埋葬等の費用
(3)本遺言の執行に関する費用
(4)遺言執行者に対する報酬
遺言で、例えば「次の遺言者の財産を妻に相続させる。」と書いた後に、遺言者より先に妻が亡くなった場合、折角書いた遺言が、効力を生じません。
つまり、遺言書がない状態になります。
それを避ける意味でも、第1条に、上記を書き(主位的遺言)、第2条で、予備的に、「遺言者より先に、前記妻が死亡したときは、遺言者の〇〇に相続させる(または遺贈する。)。」とすることもできます。
遺産が少しでもあれば、遺言を書いておくべきですが(遺言があってよかった方も多くいます。)、「まだ先でいいじゃないか?」等で遺言書を遺さずに亡くなってしまう方も多くおります。
遺言書は、亡くなってはじめて効力が生じますので、いわば最後のご自身のお気持ちです。
人の死は、時期も含めて分からいものばかりですが、特に遺言を残しておいた方がよい方を記載してみます。
・お子さんのいない方
この場合、相続するのは配偶者とご自身の両親(両親がすでに亡くなっていても祖父母がいれば祖父母)が相続人になります。ご両親等がいなければ、配偶者とご自身の兄弟姉妹にいきます。
仮に兄弟姉妹が既にお亡くなりになっている場合、その子(甥や姪)に相続されます。
兄弟姉妹と付き合いが深い場合は別段かもしれませんが、多くは配偶者に全ての財産をあげたいと思う方が多いと思います。遺言で、全ての財産を配偶者として遺しておけば、その思いは叶えられますが、もし、遺言がない場合には、配偶者とご両親等と話し合わなければ、銀行預貯金も不動産も名義を変えることができません。
しかも、話し合いがまとまったとしても、全員の実印や印鑑証明書が必要となります。
・子または相続人の中に、特に世話になった方や今後世話になる方がいる場合
この方たちに多くの財産をあげたいと思うことは、お気持ちとしてよく分かります。
寄与分で調整したり、遺留分を主張される可能性もありますが、遺留分も全部の相続分ではありませんし、お気持ちを残しておくことは大事なことかもしれません。
また、例え遺留分があったとしても、遺留分は主張せずに遺言書に従うことも考えられます。
・子または相続人の中に障がいをもつ方や特に保護する必要の方がいる場合
実際には、その方たちに財産を残しても、折角の財産が騙されるなどによって無くなってしまう可能性もあるため、財産管理等を第三者に任せるかもしれませんが、それも遺言によって叶えることができます。
・再婚して、前婚に子がおり、再婚後にも子がいる場合
前婚の子も相続人になるため、今は仲が良くても、遺言者の死亡後もそうであるとは限らないため、紛争の予防の観点からも必要かと思います。また、前婚及び後婚の子が沢山いる場合、話がまとまらず時間だけが経過するケースも多いです。
・相続人以外の方に財産を遺したい場合
相続人がいて、遺言がない場合、相続人でない方に財産が行く可能性は少ないです。
寄付やご自身の子の配偶者などにも財産をあげたいと考える場合、遺言がないと実現しません。
・内縁関係にある方に財産を遺したい場合
生命保険、退職金、年金などについては、特別な規定があり内縁関係でも受け取れる可能性がありますが、その他の財産については相続人ではないため、遺言がなければ遺すことができません。
・相続人がいない方や相続人に行方不明の方がいる場合
遺言書がない場合、相続財産管理人等の選任申立てをしなければならず、遺された方が時間も費用負担もしなければならなくなります。
それを避ける意味でも、遺言書を作っておくことは有効です。
法定相続情報証明制度は,平成29年5月29日に始まりました。
一度証明を受けると,亡くなった方の出生から死亡時までの除籍謄本等(これだけで数通の謄本等が必要です),相続人の方の戸籍抄本等が不要になり,金融機関や保険会社,税務署等の手続きも1枚の証明書だけで済んでしまいます。
しかも,何枚証明書を申請しても,申請自体は無料のため,除籍謄本等を提出する場所の数だけ証明書の発行を申請してください。
この証明書をもらえば,除籍謄本等は1通だけ(最初の申請だけ)取得すればよいことになります。
どこに申立てをすればよいかですが(管轄),亡くなった方(被相続人)の本籍地もしくは最後の住所地,法定相続情報を申立てた方(申出人)の住所地又は被相続人を表題部所有者もしくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する法務局の登記官に対してすることができます。
法務局の登記官が証明するため,相続登記に付随して行う方が多いのですが,不動産の名義変更と一緒にこの証明書の発行を別途申請し,発行(法務局の登記官が調査するため,発行に1週間から10日前後必要になります)を受けた後で銀行等に提出することが考えられます。
これまで,公正証書で遺言を作成するメリットとしては,その遺言が発効した後に,家庭裁判所での「検認」の手続きをとらなくても,例えば,相続による不動産の名義変更ができておりました。 自筆証書の遺言の場合,家庭裁判所で「検認」の手続きを経て,検認済みの証明書を遺言書に綴ってもらって,それを利用していました。 公正証書の場合は,この「検認」の手続きを省くことができる結果,直ぐに登記ができておりましたが,自筆証書遺言の場合には,「検認」の手続きを踏まなければならず,1か月以上(検認手続きに時間が掛かるため)かかってようやく登記の名義変更ができる状態になっておりました。 さらに,自筆証書の場合,要件を満たしているか等の懸念もあり,また,遺言書で遺す遺産がたくさんあると,それらを全部,自筆で書くことが大変であることもあって敬遠する方もいましたが,これからは,財産目録のコピー(通帳のコピーを合綴できたり,パソコンでも作成もできる)でも構わず,その遺言書を法務局で預かってくれるため(預かる前の事前段階で,要件クリアーを確認できる),自筆証書遺言が増えると思われます。
最近のコメント